ライナー指揮「オランダ人」・・・Wagner at The Met

以前、ジョージ・セル指揮の「タンホイザー」について書いたが(→ ページ)、もう二年も前になる。「Wagner at The Met」というCDセットのもの。やっと2つめを聞いた(笑)。時の流れは速いなあ。

NYメトロポリタン歌劇場でのワーグナー演奏から抜粋してセットにしたもの。今回、「オランダ人」を聞いたが、さすがに、有名歌手の歌ったもので、さらにその中でいい演奏のものを組み合わせたのだろうってことが、これを聞いて実感した。ま、当たり前ではあるが、適当に組み合わせたのかと思ってた。

この演奏は、
ハンス・ホッター(オランダ人)
アストリッド・ヴァルナイ(ゼンタ)
セット・スヴァンホルム(エリック)
スヴェン・ニルソン(ダーラント)
ヘルタ・グラーツ(マリー)
トーマス・ヘイワード(舵取り)
フリッツ・ライナー(指揮)
録音時期:1950年12月30日


全体のテンポは速く激しい。アメリカ風に大向うの受けを狙ってるような演奏。聞いてて面白い。効果音も多く入っていて、まるで舞台を見るようで、とても片手間では聞けない(笑)。他の作業をやりながら聞くのは無理な演奏。

なかでも世界的な歌手3人、ホッター、ヴァルナイ、スヴァンホルムはすばらしい。とりわけホッターの歌詞の読み込みや歌わせ方は他を引き離している。ただ、その点、同じバスのダーラントを歌う歌手との差が印象つけられてしまうが。こちらの歌手はなんだか、イメージが曖昧な歌い方をしている。役になりきってない印象。声もやや弱い。ただ、低音は出ていて、下のDだったか、しっかり響いているが。スヴァンホルムはこんなところで使うのはもったいない気が。若々しく崇高とさえ言える声で主役を張ってる風情。この役にはもっと荒い人でも良い気が。

ヴァルナイは若干微妙。第二幕での、ホッターとの長大な二重唱は素晴らしいが。自分がその場にいれば、ブラボーとでも叫びたく成るに違いない。ただ、ソロが今ひとつだった。ゼンタのバラッドはもっと狂気じみてないといけない(笑)。実際そういう心理状況のはずなのだから。何か教科書通りに歌ってる感じ。求めるものが手に入らない。このオペラ全体をゼンタの想像のなかの物語だとする演出もあるぐらいだし。

ヴァルナイて人は、50年代のバイロイトやNYメットを支えたひとなのだが、今ひとつ人気がないというか、知られていない。声は綺麗だし破綻があるわけでもないが、どこか突き抜けた所がない気が。そんなに聞いたわけでもないが。ここが好きだ、と言われる部分がない印象。無理をしなかったといえるかもしれない。この人はドラマチックソプラノでは異例の長期間歌った人らしいが、そういう面もあったのかも。

ギネス・ジョーンズ


知らない歌手だけど。


フラグスタートの37年の演奏。狂気というよりは、そこを通りこして清明な境地に達したような演奏ではあるが。

もし神様が人生で一つだけ願いを叶えようというのなら、私の願いは、フラグスタートの居た時代と地域に生まれ変わらして欲しいと言うことになる(笑)。

変な演出のがあったので貼っておく。現代的なビルの中に糸車(笑)。後ろをうろうろしてる黒い影は、幽霊船の船員なのかな。

船をプールに変えているのか。変わった演出だなあ。奥の一般人がいるのがダーラントの船で、手前の黒い影がいるのが幽霊船か。全体を見てみたいが。しかし、音楽は偉大だ。どんな演出にも損なわれない。



あとこのMETの演奏で決定的に問題だと思うのは合唱が雑な事。女声も男声も。このオペラは合唱でドラマが進んで行く面があるわけだが、それなのにかなり粗く雑。声が揃ってない。少人数の印象もある。これは自分としてはかなり評価が低くなる。
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