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曽我兄弟-文部省唱歌

これは学校では習っていない。戦後は削られたようだ。鎌倉時代の曽我兄弟の仇討ちを描いたもの。
私は、講談社文庫から出ている、「日本の唱歌」という本で知って気にいった。
ただ、これはどこの動画サイトを見ても無い。あってもなぜか消されている。同名の別の歌はあるのだが、唱歌の方のは見つからない。
こちらのサイトでメロディーが聞ける。ちょっとスピードが速いが。途中高く盛り上がるところがなかなか良い。
楽譜と歌詞は、こちらのサイトで。こちらには当時の唱歌をまとめてある。

一、富士の裾野の  夜はふけて、
  うたげのどよみ 静まりぬ。
  屋形屋形の   灯は消えて、
  あやめも分かぬ さつきやみ。
二、「来れ、時致(ときむね)、今宵こそ、
  十八年の    うらみをば。」
  「いでや兄上、 今宵こそ、
  ただ一撃に   敵(かたき)をば。」
三、共に松明(たいまつ) ふりかざし、
  目ざす屋形に  うち入れば、
  かたき工藤は  酔(ゑ)ひ臥して、
  前後も知らぬ  高 鼾(いびき)。
四、「起きよ、祐経(すけつね)、父の仇(あだ)、
  十郎五郎、   見参。」と、
  枕を蹴つて   おどろかし、
  起きんとするを はたと斬る。
五、仇は報いぬ、  今はとて、
  「出合へ出合へ」と 呼ばはれば、
  折しも小雨   降りいでて、
  空にも名のる  ほととぎす。


曽我兄弟の仇討ちというのは、日本三大仇討ちの一つと言われている。私の親の代はよく知っていたようだ。しかし、私は子供の頃は良くわからず、大化の改新の蘇我一族の事かなと思ったりしてた(笑)。今の人たちはほとんど知らないのではないか。

頼朝の政権が安定した1193年5月に行われた富士の裾野での巻き狩の際、曾我十郎祐成と曾我五郎時致の兄弟が、父の仇で幕府の重臣の工藤祐経を討ったという事件である。兄弟が幼い頃、所領争いで工藤祐経が兄弟の父の河津祐泰を殺した。母親はその後曽我家に再婚で入った為に、兄弟は曽我を名乗った。兄弟は工藤を18年間も付けねらい、遂に本懐を遂げるという話である。ただ、これには政治的な背景があるらしく、ただの仇討ちではないようだ。こちらのサイトに、いくつかの説がまとめてある。

問題になるのは、この仇討ちの際、多数の御家人が死んでいること、弟の時致が工藤祐経を殺したあと、頼朝の宿所に突進して頼朝をも殺そうとした事、事件後、頼朝の弟の範頼が幽閉され死んだ事、有力者の大庭景義などが失脚したことなど、一連の奇妙な事件が起きたことがある。実は曽我兄弟は、北条家に仕えていたらしい。北条家が頼朝を殺そうとした可能性はあるだろう。何しろ、この当時の武士なんて親子兄弟で殺しあってる。鎌倉幕府成立後も、数々の衝突が起こり、有力御家人が多数死んでいるし、頼朝自身も奇妙な死を遂げている。

最大の受益者が犯人だ、という論理を適用すれば、裏にいたのは北条家という事になるだろう。しかし、これの究明が難しくなる理由は、その北条家が、『吾妻鏡』を編纂し、これだけがこの事件を記述しているという事。これではどうしようもない。この難問から抜け出るためには、北条家の利益になる記述を全て捨ててかからないといけない。例えば、頼朝が、その気持ちに免じて時致を許そうとしたという記述とか。おそらくウソだろう。この事件を純粋な仇討ちにするための脚色だろう。兄弟の行動は、政権の転覆を狙ったものなのだろうと思う。しかし、もはや、そんな推測など、根拠となる資料などないわけだから、無意味に近い。背景にあるのは、源氏の武士団が棟梁の家系を含めて、お互い騒乱しあっていたということ、それに対して、北条家は一致団結して、幕府を維持していったという事である。それは良かったというしかないだろう。元寇にも適切に対処した。源氏のいい加減な血筋だったらどうなってたか分からない。源氏にも頼朝とか義家とか傑出した人物は出るが、どうも殺し合いばかりやってるし、源氏の流れの足利幕府を見てもなんだか頼りない。ただ、結果的には、北条家もそういった足利家、新田家に滅ぼされるのだが。



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